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人畜感染症・犬、猫と人の共通感染症 その1 [猫学のすすめ(猫を知る)]

ズーノーシス:犬・猫と人の共通感染症 その1

原 因:疾 患: 名:感染動物:感染経路:をそれぞれ羅列します。

ウイルス由来:
狂犬病 犬・コウモリ・哺乳動物・猫 咬傷・経気道・創傷

細菌由来:
エルシニア症 豚・犬・猫・齧歯(げっし)目 経口(豚肉、汚染水・食品)

カンピロバクター症 牛・ニワトリ・犬・猫 経口(汚染された水、食品)

結核 牛・犬・サル 経口・経気道

腸管出血性大腸菌感染症 家畜・野生動物・犬・猫 経口(糞で汚染された水、食品等)

猫ひっかき病 猫 ・ (犬) 咬傷・創傷・ノミの媒介

パスツレラ症 猫 ・ (犬) 咬傷・創傷、経気道

ブルセラ症 犬・牛・豚・羊 接触・経口

ライム病 鳥類・齧歯目・犬 ダニの媒介

レプトスピラ症 犬・牛・野生動物・齧歯目 経皮

Q熱 牛・羊・ヤギ・野生動物・猫 経口・経気道(乾燥した鳥の糞吸入等)

サルモネラ症 齧歯目・爬虫類・鳥類・家畜 経口(汚染された水、食品等)

真菌由来:
クリプトコッカス症 鳩・鳥類・犬・猫 経気道・経皮

皮膚糸状菌症 犬・猫・齧歯目・牛 接触

包虫由来:
エキノコックス症 狐・犬・齧歯目 経口(汚染された水、野菜、山菜等)

犬・猫回虫 犬・猫回虫症 犬・猫・豚・アライグマ 経口(鳥、牛の肝臓の生食、虫卵の摂取)

原虫由来:
トキソプラズマ症 猫・豚・羊 経口(猫の糞、加熱不十分な豚・羊の肉)

クリプトスポリジウム症 牛・馬・齧歯目・犬・猫 経口(汚染された水、食品等)

備考:
咬傷・創傷 :咬まれたり引っ掻かれたりして、傷口から菌が侵入。
接触    :直接触れて、菌や虫卵が移る。
経口 :口から摂取。汚染された水・食物の摂取。手についた菌、虫卵の摂取等。
経気道 :菌に汚染された埃塵の吸入等。
経皮 :皮膚の傷口等から菌が侵入。
齧歯(げっし)目:ネズミ、ウサギ、リス、ハムスター等。

狂犬病 :猫も感染する。ウイルスの特性他全般を考慮、現在日本では猫の予防接種は不要。
サルモネラ症:鶏の体内で卵が感染する場合もある。犬、カメは感染源となる。猫の感染は稀。
疾患名 :動物・鳥類等が人への感染源となる病気は他にもたくさんある。
 ここでは犬と猫が感染源となる、主な人との共通感染症だけを取り上げた。
感染する動物:宿主を含めて、病原体に対して感受性のある動物等。人への感染源となる。
ズーノーシスとは?:
人と動物に共通して感染する病原体。動物では感染していても保菌したまま無症状である場合が多い。(キャリア=保菌者)広い地域に散布され、宿主体外に排出されても病原体が自然環境下 で長期に生存。動物から人へ感染した場合、人から人へ感染が広がること無く終わる(終末感染)場合が殆ど。人も動物も常に感染の危険にさらされている。しかし、正しい知識を持って適切に接している限り、それ程怖れる必要は無い。

予防と心得:
感染源を把握して感染経路を断つ。日頃から免疫力・抵抗力を高める(人も動物も)。
定期健診を受け、健康状態を観察。病気が見つかれば、速やかに隔離、治療等の処置をとる。 排泄物の速やかな除去、汚物の消毒を徹底。
飲食物の殺菌、加熱。環境・施設の消毒、衛生管理。病原体を媒介する、ネズミ・ノミ等の駆除。予防接種。健康の維持と増進。

動物に対して:体・環境・食器などを常に清潔に保つ。糞尿は速やかに処理(密封・廃棄処理)。ノミ、ダニ、ゴキブリ等を駆除。日頃からこれらをペットの環境下に生息させない。
ペットに生肉を与えない。ネズミ、ヘビ、カエル、トカゲ他。動物、昆虫と接触させない。
人は:動物、ペットとの濃厚な接触は避ける。食べ物を口移しで与えたり、食器や布団を共用したりしない。動物を触った後、汚物を処理した後は、手指を洗浄・消毒する。
砂場や花壇等をいじった後も同様。
病原体を直接間接に摂取、吸入しないように注意する。
動物に咬まれたりひっかかれたりしたら、傷口部位をよく洗浄・消毒。状況によっては、病院へ。野生動物、知らない動物、輸入動物には注意。むやみに近づかない。
幼児、高齢者、病人、糖尿病のある人等、免疫の弱い人は特に注意する。

以上 次回はその2
管理人
2020.1.22



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