SSブログ

東京猫物語 第八十三話ー③ [「東京猫物語・外猫観察記」(管理人著・猫のお話)]

東京猫物語
第八十三話 里親会の顛末弐ー③

ミイちゃんが見つからないまま、更に一月が過ぎました。
「それらしき仔猫を見掛けた」などと、チラシを見た人から看護助士おばさん宛に電話連絡は何件かありました。しかし、それらはいずれもミイちゃんの存在を確信させる有力情報ではなく、看護助士おばさんが出向いても空振りに終るばかりでした。
「もう出て来ないかな」
誰もが諦め掛けた時、「ミイちゃんが見つかった」という連絡が里親女から看護助士おばさんに入りました。

その翌日の土曜日、私は急遽看護助士おばさんから同行を求められました。
「よく見つけてくれたわ。今迄の失態は帳消しにして上げるわ」
里親女の住まいへ向かう車中、私が運転している横で看護助士おばさんは子供のようにはしゃいでいました。
「糠喜びに終らなければいいけれど」
仔猫との再会を楽しみにしている看護助士おばさん。私は心配になりました。
(続く)

以上
管理人
2016.07.24

「どこにでもいるような飼主のいない猫たち。彼らのことをよく知るほどに、きっと素敵な猫に魅せられるはず。飼主のいない外暮らしは、猫たちにとって決して楽ではありません。どうぞ、懐いたらお家に迎えてくださいね」

*東京猫物語は1998年から数年間、東京都心の某公園で猫たちを観察した体験に基づく実話です。
Copyright : All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
当ブログに掲載されている内容の無許可転載・転用を禁止いたします。

共通テーマ:ペット