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東京猫物語 第八十三話-② [「東京猫物語・外猫観察記」(管理人著・猫のお話)]

東京猫物語
第八十三話 里親会の顛末弐ー②

私は学生時代に建売広告のチラシを配布するアルバイトを経験しました。チラシが一杯詰め込まれた大きな重いバッグを両肩に下げて町中を何キロも歩き回り、一日掛かりで一軒一軒配布する重労働でした。それに比べて今回の配布はせいぜい一人あたり二百枚程度。途中、聞き込みも兼ねて配布したものの、二時間程で作業は完了しました。四人で協力したおかげです。

作業の終了とほぼ同時に看護助士おばさんが私たちの前に現れました。
「里親女が当てにならないから、お姉さんに会いに隣町へ行って来たの。新聞広告のやり直し掲載とチラシの新聞折込みを頼んで来たの。未だ実行して貰えないから」
看護助士おばさんは私たちに言いました。
「経費は全て里親女に負担させます。毎日ミイちゃんを捜して貰うから」
看護助士おばさんは強気でした。
「打合せもいいけど、チラシの配布が先じゃないの。今、真っ先に仔猫を捜すべきよ」
看護助士おばさんの娘さんが口をへの字に結びました。
(続く)

ミイちゃんの行方は? 次回、吉報が?

以上
管理人
2016.07.17

「どこにでもいるような飼主のいない猫たち。彼らのことをよく知るほどに、きっと素敵な猫に魅せられるはず。飼主のいない外暮らしは、猫たちにとって決して楽ではありません。どうぞ、懐いたらお家に迎えてくださいね」

*東京猫物語は1998年から数年間、東京都心の某公園で猫たちを観察した体験に基づく実話です。
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