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猫の飼養相談(猫の攻撃性、飼主攻撃) [猫の飼い方]

== original column : by the cat advocator ==


猫の飼養相談(猫の飼主への攻撃):

Q:相談者Mさん
生後約4ヶ月の拾った雌猫(拾得時:生後1ヶ月)を飼っています。
一階がお店なので、猫の生活スペースは二階に限定(ベランダと、3部屋16畳)、一匹だけの完全室内飼いです。昼間、私は仕事で不在。家族がお店の仕事の合間に猫の世話をし、休日や夜は私が世話をして一緒に遊びます。
猫は人なつこく元気ですが、困ったことがあります。
私を噛んだり、引っ掻いたりするので、私の手は傷だらけです。傷は跡になるほどで、治りも遅いようです。怒ったり悲鳴をあげたりしても、なかなかやめません。また、電気コードも噛もうとするので心配です。
引っ掻く、噛むのをやめさせるにはどうしたらよろしいでしょうか?

A:回答者(一級 ペット ケア アドバイザー =管理人)
子猫は生後2ヶ月位迄の間に、親きょうだいたちとの暮らしの中から猫として必要な社会性を学びます。きょうだい同士で追いかけたり取っ組み合ったり、時には組み付いて相手を噛んだりします。噛まれた方は痛くなると声を上げ、お互いに痛みの程度が分るようになり離れます。
仔猫が成長すると、母猫は親離れをさせようとします。子猫がしがみつこうとすると、「カーッ」と威嚇します。場合によっては猫パンチを繰り出します。

貴方の猫は、生後1ヶ月位の時に拾われたのですね。攻撃は「行き過ぎた遊びの延長」と思われます。子猫が早い段階で親きょうだいと別れた為に、遊びの程度が分からないのではないでしょうか。子猫から攻撃を受けた時、騒いで手で振り払おうとすると、その動きがさらに仔猫の興奮をあおることにもなります。

捕食性から起因する攻撃性は、獲物を獲るという猫の本能からくる遊びです。
禁止せず、おもちゃのネズミや猫じゃらしなどへ注意を向けさせ、猫が疲れるまで遊ばせます。同じおもちゃはすぐに飽きるはずです。手を変え、品を変え、工夫をこらして遊ばせます。おもちゃは安全性の高い物を選び、飼主が管理します。子猫に渡したままにはしません。

子猫が飼主に対して気の荒い態度を見せたら、「痛い」と声をあげ、相手をせずにその場から立ち去ります。
電気コード等に悪戯する時も、「だめ」と少し大きい声でしかります。
それでも、おそらくすぐにはやめないでしょう。
我が家の場合、みかんの皮をつまんで香りを強くしてから猫の鼻先に持って行くと猫は離れました。噛もうとする電気コードに香を刷り込むと、噛まなくなりました。化学物質を含んだ芳香剤や、防かび剤を塗ってある果実は使用しません。猫の身体に直接果汁がかからないように注意します。
何度か繰り返す内に、猫は「禁止事項」を理解しました。仔猫の頃、猫の嫌いな柑橘類の香は「禁止」を教える場合に有効でした。猫が大人になると、みかんを使わなくても言葉だけで理解するようになりました。
猫が「禁止事項」を理解したら、やさしく声に出して褒めあげます。
猫は飼主の態度や声の調子から、褒められたこと、怒られたことを理解します。
「禁止」は危険を伴うようなわずかな点に限り、できるだけ好きにさせています。

体罰は厳禁です。飼主が常に愛情深く見守っていることを猫が感じられるように接します。社会性と優位性の発達に関して、猫が成長するに従い、猫の行動に枠を設けて自制心を育むように世話をします。必ずしも子猫の思い通りばかりにはしません。食事の時には缶などをたたいて呼び、来たらほめて食事を与えます。危険な場所には「ダメ!」と、立ち入らないように教えます。

子猫には爪研ぎのダンボール板等を与えます。
猫の爪は、指のように大切な身体の一部です。鋭い爪は人に向けられると厄介ですが、猫のワイルドな魅力の一つと考えます。与えた爪研ぎばかりを利用してくれるとは限りません。できれば柱の二、三本は猫に与える位の気持ちを抱いては如何でしょう。どうしても傷をつけられたくない所は、ダンボールや木片などで覆います。

今迄何の問題も無かったのに、成猫が急に飼主を攻撃するようになった場合、脳腫瘍や内臓疾患等の病気が攻撃性を誘発する原因になっていたり、怖い思いや不快な体験のやつあたりとして攻撃に転嫁されていることが疑われます。
場合によっては獣医さんの診療を受け、猫の健康状態をチェックして問題の解決にあたる必要もあります。

大人しく愛撫されていた猫が、急に不快になって飼主を噛む場合もあります。
猫の様子をよく観察し、猫が尻尾を小刻みに振り始めたり不機嫌な態度を見せ始めたら、愛撫はすぐに止めます。

猫の噛み傷、引っ掻き傷を受けた場合、すぐに傷口をしぼり出すように洗い、消毒します。
猫が保有しているバルトネラ菌やパスツレラ菌が原因で、傷口付近やリンパ管が腫れたり、より重篤な症状が現れる場合が稀にあります。そのような場合は速やかに医師に相談し、「猫から傷を受けた」旨を伝えます。
以上、貴方と猫の幸せな生活をお祈り致します。


上記は、問題の解決へ向けて速やかに良い結果が得られた例です。
飼主さんは素晴らしい方で、猫に対して常に深い愛情を以って接しています。子猫をよく褒め、優しく話しかけていました。

以上
管理人


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