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東京猫物語 第八十二話ー④ [「東京猫物語・外猫観察記」(管理人著・猫のお話)]

東京猫物語
第八十二話:猫婆狸婆ー④

看護助士おばさんが不妊手術の済んだ母猫を猫町公園に戻した日、私たちは麻雀屋さんの事務所でお茶を頂いていました。看護助士おばさんの顔には、一つ厄介事を片付けたという満足感が窺われます。

「バアサンたち、快く不妊手術に協力してくれたのでしょう?」
私は看護助士おばさんに尋ねました。
看護助士おばさんは麻雀屋さんたちと顔を見合せた後、小声で笑いました。
意外な反応です。
「え、また反対したの?バアサンたち」
怪訝に思った私は、皆の顔を順々に一瞥して答えを待ちました。
(続く)

以上
管理人
2016.06.19

「どこにでもいるような飼主のいない猫たち。彼らのことをよく知るほどに、きっと素敵な猫に魅せられるはず。飼主のいない外暮らしは、猫たちにとって決して楽ではありません。どうぞ、懐いたらお家に迎えてくださいね」

*東京猫物語は1998年から数年間、東京都心の某公園で猫たちを観察した体験に基づく実話です。

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