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東京猫物語 第七十九話ー⑱ [「東京猫物語・外猫観察記」(管理人著・猫のお話)]

東京猫物語
第七十九話 里親会弐ー⑱
(洋品店の経営者の女性のお話が続いています)

「その方が「XX警察署のYさんという知人に会うついでに立ち寄った」と話していたことを思い出したので、たまたまXX警察署に勤務していた甥っ子にYさんという人のことを尋ねてみました。すると、どうでしょう?甥っ子は「Yさんなどという人はいない」という始末です。一体、どんな目的で猫を貰いに来たのでしょうか。その方が今度の火曜日にまたお店に来ても、私は絶対に猫を渡しません。適当な理由を付けて帰って頂きますわ。あなた様も気を付けた方が宜しいですわよ」

電話の趣旨は、親切にも不審者に対する注意を促すものでした。仔猫の里親を探すという点で、同じ立場にある紙上の仲間に対して、洋品店の女性は躊躇無く電話を掛けてくれた次第です。
早速、私はその話を会長さんに伝えました。
「里親詐欺には気を付けないとなあ。実際、身近な所にいるのだな」
会長さんの顔は深刻そうな面持ちに変わりました。
(続く)

以上
管理人
2015.11.8

「どこにでもいるような飼主のいない猫たち。彼らのことをよく知るほどに、きっと素敵な猫に魅せられるはず。飼主のいない外暮らしは、猫たちにとって決して楽ではありません。どうぞ、懐いたらお家に迎えてくださいね」

*東京猫物語は1998年から数年間、東京都心の某公園で猫たちを観察した体験に基づく実話です。

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