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東京猫物語 第八十一話ー① [「東京猫物語・外猫観察記」(管理人著・猫のお話)]

東京猫物語
第八十一話:「ふん、レベルが低い」ー①

猫町裏通りのモモちゃんに、思ったより早く新しい飼主さんが見つかりました。
里親会での飼主探しは徒労に終りましたが、モモちゃんに関った猫町の仲間は皆大喜びです。
某公益法人に勤める女性がモモちゃんを知人に紹介した結果、「モモちゃんに会ってみたい」という話になりました。モモちゃんの飼主候補は、隣町の役所に勤務している五十代前半の女性です。郊外の持ち家で姉と二人暮らし。姉妹揃って猫好きです。三年前、その方は愛猫を老衰で亡くしました。そして、亡くなった愛猫のことを思い出すと辛くなるので、今迄ずっと猫のことを考えることができませんでした。某公益法人の女性から「飼ってみてはどうか?」とモモちゃんを勧められた日を境に、「また猫と一緒の生活もいいかな」という心境に変わりつつありました。その女性が悲しみを乗り越え、愛猫との幸せな日々を懐かしく思えるようになる迄に長い月日を要しました。
(続く)
ももちゃん
(飼猫になったモモちゃん:飼い主さん宅にて)
「あれ 大きくなったね!」
以上
管理人
2016.4.12

「どこにでもいるような飼主のいない猫たち。彼らのことをよく知るほどに、きっと素敵な猫に魅せられるはず。飼主のいない外暮らしは、猫たちにとって決して楽ではありません。どうぞ、懐いたらお家に迎えてくださいね」

*東京猫物語は1998年から数年間、東京都心の某公園で猫たちを観察した体験に基づく実話です。

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