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全国動物行政アンケート結果を見て [閑話・ブログ管理人より]

「平成19年度、全国動物行政アンケート結果報告書」(ALIVE様刊行・最新版)
を見て。
東京都民N と 栃木県民Tの会話。


N:東京の犬の殺処分数は5年で半減。啓発の成果と言えるかな。

T:確かに。迷子捕獲犬の返還率も地方に比べて高いしね。譲渡しようったって、子犬は殆どいないようだね。

N:都会では、犬の飼主責任が確実に浸透してきたと思う。猫も飼猫については、適正飼養が普及しつつあるのかな。全国的に、今回は猫の引取処分数が減ったから。

T:でも、仔猫の引取は未だに多いし、特に飼主不詳の仔猫がね。
啓発が進んでいるとしても、猫についてはまだまだだな。

N:東京も猫の処分数はワースト10入り。環境省や公益法人愛護団体本部のお膝元なのに。絶対数が多いから、他県との比較で単に数だけを語られるべきではないかもしれないけれど。

T:行政施設に持ち込まれる前に、見えない所で捨てられて命を落としている猫も多いはず。都会より、地方の田舎は目立たないよね。河原でカラスに食べられても、山で飢え死にしても。

N:犬はいろいろ法律で管理されているけれど、猫の飼養はそれほどでもないから、それが差になっていると言う意見もあるよ。法律や条例でうるさく言わないと、人の意識は変わらないのかあ。

T:東京には譲渡対象の子犬がいないから、近隣の県で処分する子犬を移送すれば良いなんて意見もあるけれど。

N:必ずしも同意できないな。気持ちは分かるけれど、東京にも里親を待っている成犬はいるのだから。彼らの生存機会が失われかねないよ。どうしても子犬が欲しい人は、少々遠くてもネットなどで調べて、譲り受けに出掛けるでしょう。それに、各自治体、そこの住民たちの努力が求められると思う。環境や居住地によって、命ある者への対応が異なるというのではどうしょうもないさ。行政施設での引取、殺処分ったって、別に役所が犬猫を飼っていて、放棄したわけじゃないからね。あくまでも、そこの住民である飼主が放棄した結果のデータだよ。勿論、行政だってもっと工夫や別の対応があるでしょって、言いたくなる面もあるけど。

T:そうそう、栃木県だけが関東で唯一犬猫の引取が無料なんだよね。
好きで飼主になって、飼育放棄するから引き取ってくれって?冗談じゃないよね。誰も犬を飼いなさいと義務を課されたわけじゃないでしょう。市民の税金で丸抱えするのは不条理!迷子犬の返還を求めると、事務手数料がかかるのね。確か5千円以上。「どうして返還手数料が有料なのに、引取料が無料なの?」って、以前栃木県の役人に聞いたら「分からない。以前からそうだから」だって。かなり上の役職の人だったけど。日常の職務に関わる業務の根拠も把握していないなんて、毎日何してんだか。

N:栃木県では、「定点回収」も考えられない程多いね。命ある者をまるでゴミ扱いしているって。県民、特に愛護家たちは黙って見過ごしているのか。行政は、地域住民の意思を反映させたもの。役人は市民の代理人なわけだから。みんながそれで好い、それで問題無いっていう結果じゃないのか。もっとも、実際には日常の生活に忙殺されて、施政に関心など持っていられないのが実体かもしれないが。特に、犬猫、小動物の事で熱心な人なんて、そんなに居ないし。居ても、変人扱いされたりしてね。

T:パブリックコメントの募集にも、愛護団体の人ですら意見提出する人はそれ程多くないのよね。役所は、住民が無関心であればあるほど好都合なんだよ。面倒なく、自分流に進めればいいのだからね。

N:本当に10年間で殺処分を半減できるのかね? 特に猫について、無策では難しいのじゃないかな。

(次回へ、続く)



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