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東京猫物語 第八十一話ー③ [「東京猫物語・外猫観察記」(管理人著・猫のお話)]

東京猫物語
第八十一話 「ふん!レベルが低い」ー③

モモちゃんの新しい飼主の女性は、最後に私たちに会釈するとキャリーバッグの窓をタオルで覆いました。そして、猫町駅へ向かって歩き出しました。
飼主の女性が突当りの角を曲がって見えなくなると、見送りに出ていた皆さんは各々自分たちの職場へ戻って行きました。

税理士事務所の奥様が最後迄名残惜しそうに佇んでいたので、私は引き揚げる前にお礼を述べました。税理士事務所の奥様は、モモちゃんを保護収容する際に手を貸してくれたし、カンパにも応じてくれました。
白髪の奥様は私に軽く会釈をして言いました。
「モモちゃんは利口な猫でした。新しい飼主さんの家でもきっとかわいがって貰えますね」
それから、奥様は過去に立ち返り、感慨深げに自宅で飼っていた猫について話し始めました。
「うちで飼っていた猫もモモちゃんに劣らず、とても賢い猫でしたのよ。本当に。私と主人が言う事は何でも理解しましたし、トイレの粗相は一度も無かったのですから」
「大切にかわいがられて、その子はさぞかし幸せだったのでしょうね」
私が奥様の意を汲むと、奥様はとても嬉しそうな顔をして大きく頷きました。
(続く)

熊本大地震による「震災関連の健康被害」が出ているようです。
車で寝泊まりされている方の「エコノミークラス症候群」、足にできた血栓が肺に飛び肺血栓を
起こすそうです。こまめに水分をとり、できるだけ体を動かすことが予防になるそうです。
足のマッサージもいいそうです。揺れが収まるようにお祈りいたします。

以上
管理人
2016.4.24

「どこにでもいるような飼主のいない猫たち。彼らのことをよく知るほどに、きっと素敵な猫に魅せられるはず。飼主のいない外暮らしは、猫たちにとって決して楽ではありません。どうぞ、懐いたらお家に迎えてくださいね」

*東京猫物語は1998年から数年間、東京都心の某公園で猫たちを観察した体験に基づく実話です。

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