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猫のワクチン [猫の飼い方]

== original column : by the cat advocator ==


「猫のワクチン」

病気の症状の現われ方は、個々の場合によって異なります。病気の予防と治療は、必ず獣医さんの診療、指示のもとで。

すべての猫に全てのワクチン接種が必要というわけではありません。個々の猫の健康状態、飼い方を獣医さんと相談の上、どのワクチンを接種すべきか判断します。ワクチンを接種しても、病気に感染しないというわけではありません。予防接種によって予め特定の感染症の記憶を猫の体内に残し(抗体)、感染時に体内の免疫力が速やかに反応して抵抗力となります。ワクチン接種により、通常は症状が重篤化せずに済みます。

ワクチンは異物です。副作用の危険性も無くはありません。しかし、病気の感染力と感染時の重篤性から、「三種混合ワクチン」は一般に接種が必要と言われています。接種後、万が一副作用が起きても病院が開いている間に対応できるように、午前中の接種が望まれます。

三種混合ワクチン:
抗体を持つ母猫の初乳(母乳)を飲んだ子猫は、生後約2ヶ月位迄体内に母猫の抗体を保持。免疫が切れる頃、一回目のワクチンを接種。初回の接種から約4週後位に二度目のワクチンを接種。以降、年に一回が目安。(高齢猫他、三年に一回でも良い、という場合もあるようです)

「三種ワクチン接種の効果はてきめん」とは、たくさんの猫を見てきたある愛猫家の言。

三種混合ワクチンで予防できる病気:
1)猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎):
元気・食欲が無くなる。嘔吐、血便、下痢、脱水症状、等。衰弱、死に至る場合有り。特に子猫の死亡率は高い。猫パルポウイルスが原因。ウイルスは感染力が強く、何年も感染力を保持。感染猫との接触、便、尿、嘔吐物、ノミ、等からうつる。予防は感染経路の遮断、ワクチン接種。
とても怖ろしい病気です。

2)猫ウイルス性鼻気管炎:
元気・食欲が無くなる。くしゃみ、鼻水、発熱、目やに、下痢、脱水症状、衰弱、死に至る場合有り。眼球炎、潰瘍性角膜炎を起こして失明する場合もある。回復後もウイルスがDNAとして残る場合有り。猫ヘルペスウイルスが原因。感染猫のくしゃみ、分泌物などからうつる。予防は感染経路の遮断、ワクチン接種。これも怖い病気です。

3)猫カリシウイルス感染症:
くしゃみ、鼻水、せき、発熱。進行すると、舌や口に潰瘍が出来ることも有る。肺炎の併発、死に至る場合有り。カリシウイルスが原因。感染は感染猫との接触、くしゃみ飛沫、分泌物、食器、人の手など。ウイルスの付着した衣服を介しても感染。予防は感染経路の遮断、ワクチン接種。
上記二つと共に、特に子猫は要注意の怖い病気。

ワクチンで予防できる、他の病気:
1)猫白血病ウイルス感染症(FeIV)
抗体を検査後、陰性である場合に接種するかどうか判断。
猫白血病ウイルスが原因。感染猫の唾液からうつる。咬傷、グルーミング、食器、母子感染。初期に発熱、元気食欲の低下、リンパ節の腫れ、下痢、くしゃみ、鼻水、等。慢性期に口内炎、歯肉炎、皮膚炎、呼吸器感染症、貧血、リンパ節の腫れ。発病しても長く生存する場合有り。感染しても、発病しない場合有り。ウイルスが消える場合も有り。子猫の発病率、死亡率は高い。予防は陽性猫との接触・感染経路の遮断。ワクチン(飼い方、副作用等を慎重に検討の上、接種するかどうか判断)

2)クラミジア感染症
粘着性の目やにと慢性的な結膜炎。鼻水、くしゃみ、せき、気管炎。肺炎を併発し、重症化すると死亡する場合あり。原因は細菌の仲間。感染猫との接触によってうつる。予防は感染経路の遮断、ワクチン接種。

ワクチンの無い、怖い病気
1)猫免疫不全ウイルス感染症(FIV: 猫エイズ)
感染後、無症状キャリアの場合あり。感染後、発病。免疫不全となる。感染急性期に発熱、風邪様症状、リンパ節の腫れ。エイズ期(免疫不全状態)に口内炎、下痢、鼻気管炎、腫瘍、他の病気の併発、等。徐々に脱水・痩せて衰弱、死に至る。猫エイズウイルスが原因。陽性猫との喧嘩咬傷、等によりうつる。予防は陽性猫との接触・感染経路の遮断。

2)猫伝染性腹膜炎(FIP)
感染後、無症状キャリアの場合あり。発病すると、ほぼ死に至る。初期に食欲低下、発熱、下痢、体重減少、等。重症になると、胸膜炎、腹膜炎を発症。胸水・腹水貯留、呼吸困難、致死。予防は陽性猫との接触・感染経路の遮断。腸コロナウイルスに感染しても、多くの猫は自然治癒してしまう(自己免疫)。発病の過程が不明でもあり、日頃から猫をストレスのかからない生活環境におき、アレルギーなどから解放しておくように努める。


感染経路の遮断:
猫を外へ出さず、屋内だけで飼う。陽性猫と健常猫は隔離。
他の猫との食器・飲水の共用はしない。
むやみに他所の猫を触らない。触った場合、手を洗い、服を換える。
動物病院の待合室などで、「あら、かわいい」などと他人の猫を触ったりするのもバツ。
先住猫がいる家に新しい猫を迎える場合、一緒にするのは検査して陰性が判明後。
清潔な飼養環境に努める。
以上

管理人

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